2027年スタート「育成就労制度」と技能実習制度の違いをわかりやすく解説

2027年4月1日から、新しい外国人受入れ制度である 「育成就労制度」 が始まります。 これは、長年運用されてきた 技能実習制度を発展的に解消し、新制度へ移行するもの です。

この記事では、行政書士として、育成就労制度と技能実習制度の違いをわかりやすく解説します。

1. 育成就労制度とは

育成就労制度は、就労を通じた人材育成と人材確保 を目的とした新しい制度です。 2024年に公布された改正入管法および育成就労法に基づき、技能実習制度を廃止し、新制度へ移行します。

施行日は 2027年4月1日 です。

2. 育成就労制度の目的

育成就労制度の目的は次の2つです。

  • 特定技能1号レベルの技能を持つ人材を育成すること
  • 人手不足が深刻な産業分野における人材確保

技能実習制度が掲げていた「国際貢献(技能移転)」とは目的が大きく異なります。

3. 技能実習制度との主な違い

① 制度の目的

  • 技能実習:国際貢献(技能移転)
  • 育成就労:人材育成+人材確保(国内の人手不足対応)

② 在留資格

  • 技能実習:技能実習1号・2号・3号
  • 育成就労:在留資格「育成就労」

③ 期間

  • 技能実習:最長5年
  • 育成就労:原則3年

④ 転籍(職場変更)

  • 技能実習:原則不可(倒産など例外のみ)
  • 育成就労
    • やむを得ない事情で可能
    • 1〜2年経過後は本人希望でも転籍可能

⑤ 日本語要件

  • 技能実習:原則なし
  • 育成就労
    • 就労開始時:A1相当(N5レベル)
    • 1年経過時:A2相当(N4レベル)

⑥ 前職要件

  • 技能実習:あり
  • 育成就労:なし

⑦ 特定技能1号への移行

  • 技能実習:同一職種なら試験免除
  • 育成就労:試験合格が必要

4. なぜ技能実習制度は廃止されるのか

技能実習制度は、制度目的と実態の乖離が指摘されてきました。

  • 実態は「人材確保」が中心
  • 外国人の権利保護が不十分
  • 転籍がほぼ不可能
  • 不適正な送出し費用の問題

こうした課題を解消するため、新制度へ移行します。

5. 育成就労制度の特徴

● 監理支援機関は「許可制」

技能実習の監理団体とは別制度で、既存団体が自動的に移行できるわけではありません。

● 転籍支援は公的機関が担当

転籍時の職業紹介は、

  • 監理支援機関
  • 外国人育成就労機構
  • ハローワーク が担います。

民間職業紹介事業者は関与できません。

● 送出機関の手数料上限

手数料が不当に高額にならない仕組みが導入されます。

6. まとめ

育成就労制度は、技能実習制度の課題を踏まえ、

  • 日本語要件の明確化
  • 転籍の柔軟化
  • 監理支援機関の許可制
  • 公的機関による職業紹介
  • 手数料の適正化

など、より 「労働者保護」と「人材確保」 を両立させる制度へ進化しています。

2027年4月の施行に向けて、 受入れ企業・監理団体・登録支援機関は早めの準備が必須 です。

行政書士として、制度移行に関する相談や手続き支援にも対応できますので、お気軽にご相談ください。

🔗 参考

■ JITCO(国際人材協力機構)

育成就労制度 https://www.jitco.or.jp/ja/esd

■ 入管庁(法務省)

育成就労制度関連資料(PDF) https://www.moj.go.jp/isa/content/001452485.pdf